夜中11時。
もそもそと起き出す。
結局昨日寝たのは夜7時頃。
まだ寝足りない。
10キロのトレッキング。
普通の人は夜中の2時に出発して、日の出に間に合うらしい。
でも私は本当に体力がない。
なので、まこっちゃんと相談して、12時に出ることにした。
準備をして、予定通り12時に出発。
街では、おっちゃん達がこの寒空の下、外で気持ちよくお酒を飲んでいる。
「どこ行くんだー?」
「山ー!」
「え、早くないか?!」
途中まではこの間と同じトレッキングルート。
今日はそこから更に奥に向かう。
そう思うと、1回歩いたからか、この間フィッツロイを見たところまではあっという間やった。
体力温存の為に、めちゃめちゃゆっくり歩いてるせいもあるかも。
2人とも、まだ疲れてはいないが、なんせ肩が痛い。
私もまこっちゃんも肩こり。
しかもまこっちゃんはビデオの重い機材を背負ってるのだ。
休み休み、歩く。
この時の為に、2人で奮発して買ったチョコが美味い。
パタゴニアでは物価がめっちゃ高く、チョコもめっちゃ高いのである。
まだまだ道は暗く、ヘッドライトがないと厳しい。
時々、月明かりが道を照らす。
でも・・・
薄々気づいててんけど・・・
今日天気悪い(゜_゜)
でもポジティブに、晴れる、晴れる、って言い聞かせて歩く。
小雨が降って来た。
おいおい・・・
空は一面雲に覆われてしまった。
星も見えない。
途中、川を渡り、河原を歩く。
良く見えへんけど、明るくなったらいい景色なんやろうなぁ。
体力は、まだ大丈夫。
でも長いな・・・
もうかれこれ5時間は歩き続けている。
と、看板を見つけた。
”ここから先は危ないので、自己責任で。”的なことが書いてある。
いよいよここから例の心臓破りの坂がくるらしい。
”例”のとは、ブログで読んだんやけど、最後の1時間の上り坂がめちゃめちゃしんどい、とのこと。
ここまではそんなに登りもなく、比較的平坦な道しかなかった。
ここからが本番である。
ついに来たか、と覚悟して先に進む。
最初はそこまでしんどくなく、あれ?楽勝?って感じやった。
でも10分くらい登った後から、道はどんどん険しくなってきた。
う・・・しんどい・・・
坂道、というよりは、岩場を登ってる感じ。
もはや道がない。
しかも雨の所為で、ぬかるんでいる。
どれくらい歩いたやろう。
この坂は確か1時間くらいで終わるはず・・・
中々終わらない・・・
途中、日本人の男女2人組に出会った。
彼らは2時に出発したそうだ。
追いつかれた。
ひょいひょいと身軽に先へ行った。
まだか・・・
まだ終わらんのか・・・
「お、そろそろ終わりちゃう?」
まこっちゃん。
ほ、ほんまか・・・
もう返事をする元気もない。
HPゲージが残り少ない。
真っ赤だ。
今なら真・無双乱舞を発動できる。
やっと登り切った!!!
って思ったらまだ先があった・・・
さっきほど険しくはない道やけど、富士山みたいな黒い火山岩の道。
これが地味に続く。
そんで、そんで・・・
やっと・・・
登り切ったーーーーー!!!!
し、しんど・・・
しかし雨こそは止んだが、めっちゃ曇り。
フィッツロイもめっちゃ隠れてる。
頑張って登ったのに・・・(*_*)
てか・・・
寒い・・・
ほんで眠い・・・
まこっちゃんの寝袋を貸してもらって包まる。
お・・・このまま寝れる・・・
反対側から陽が昇って来た。
空が赤く染まる。
フィッツロイさんは・・・
雲の中。
我々が見守る中、残念ながらフィッツロイさんが赤く染まることはありませんでした・・・
暇なので反対側の空を撮ったり、意味のない笑タイムラプス撮ったり。
山頂に来たのが7時10分頃で、そこから2時間ほど粘ったが、フィッツロイさんはずっと雲の中でした・・・
9時半頃、下山開始。
なんやかんやで2時間くらい山頂にいた。
帰りは陽が当たるのでめっちゃ暑い。
来てた服を何枚も脱いだ。
明るくなったので、歩いていたとこの景色が見える。
こんなところを歩いて来てたんやな。
時々、立ち止まって撮影。
川のところまで降りてきた。
ここで、持ってきたホットドッグを食べよう。
もはや冷たくて、”ホット”ではないが。
食べた後もしばらく休む。
川の真ん中に倒れた木がある。
その木の枝に小石を当てる、という小学生みたいなことをして遊んだ。
28歳のいい大人が・・・
あ、てか私今日誕生日やん。
今日から29歳や。
20代最後の年。
20代最後の誕生日。
やのにフィッツロイは見れず。
持ってへんな~・・・
帰りがまた長かった・・・
歩けども歩けどもまだまだ先がある。
こないだフィッツロイを見たポイントにさえまだたどり着かない。
足も相当疲れてきた。
肩はガチガチや。
HPゲージが限りなく0に近づき、民の1撃でも死ぬ・・・
ってところで下山終了。
ただ、登山口から宿までの距離がまためちゃめちゃ長く感じた。
途中のスーパーで肉を買う。
誕生日やから肉を喰わせてくれるらしい!!
しかも、ナノちゃんと街プラしてるときに見つけたケーキ屋さんでタルトも買ってくれた!!
ま、まこっちゃん様ーーーー!!!!!
17時半頃、やっと宿に戻って来た。
12時に出発してから17時間。
めっちゃ歩いたなぁ。
ほんまに疲れた。
でも私はこれから23時間の夜行バスに乗らなければならないのです!!
熱出たせいでとんだ強行スケジュールになってしまった!!
休む間もなく、急いでシャワーを浴びる。
その間にまこっちゃんがご飯を作っててくれました!
なんなん!自分、天使なん!!
シャワーから出て、まこっちゃんが焼いてくれた肉を食す。
ウマい。
相変わらず美味い。
で、でもお腹がいっぱいになっちゃって・・・
タルトは少しだけ食べて、バスに持って行くことにしました。
急いで荷造りをして、バスターミナルへ。
なんやかんやでウシュアイアから一緒に旅をしたまこっちゃん。
同じ関西人やからか、ほんまに気を遣わずに自然体でおれた。
まこっちゃんの隣はすごく居心地が良かったです。
私のせいで朝焼けフィッツロイも見れず、熱出たときは看病をさせられ、登山では私のお守りをさせられ、挙句誕生日やからって肉とタルトを買わされる・・・
なんて不憫なまこっちゃん。笑
本当にありがとう!!!
楽しかったです!!!
誕生日は、移動のバスの中で一人寂しく迎えるもんやと思ってた。
でも最高の誕生日になった!!
フィッツロイを見ながらの誕生日、しかも肉とタルト付き。
最高やん!!
てか誕生日に隣にいてくれる人がいるってだけで幸せやん!!
旅に出て2回目の誕生日。
最高でした。
去年はインドのスジャータ村で2人に祝ってもらったっけ。
ほんと南は幸せ者です。
なんて幸せを感じながら、経由の町、バリローチェへ。
余談ですが、アフリカ縦断を一緒にしたミカちゃんは、この10キロのトレッキング、2回行ったそうです。
1回目は疲れ果てて、写真が撮れなかったから、って・・・
強!!!
無理!!!
登り終わった今やからわかる、ミカちゃんのパワフルさ。
バ、バケモンか!!笑
ナースだけは敵に回すまい。笑
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